中学受験における塾の利用

5.塾に通わせる時期は小4からで十分

 塾に通わせる時期は、お子様の性格とご予算次第ですが、小学校高学年からでもまったく遅くはありません。 中学受験というものは小学校低学年のうちから受験勉強を始めた子が難関校に合格するというものではありません。お友達と遊ぶ時間やおけいこの時間を制限し、低学年から塾通いを始めれば、いわゆる「燃え尽き症候群」に陥るリスクが高まります。また、はじめるのが早ければ早いほど、それだけ塾などにかかる費用もかかってきます。こちらの統計データをご覧いただければわかるとおり、多くのお子様が小学校高学年から受験勉強を始めています。 一方で、塾通いが低年齢化している原因は、受験競争が激化していることにはなく、塾側の経営戦略(少子化対策)にあります。最近では、プリスクールや幼児教育施設を経営し、乳幼児の段階から生徒を囲い込む企業も多くなってきました。少子化の影響によって、塾側もたいへん厳しい経営環境にあります。ですので、入塾時期に関する進学塾からのアドバイスは、生徒の「青田買い」を目論んでいるということも念頭に置きながら参考にするとよいでしょう。

6.中学受験 塾はここをポイントに選ぶ

 ・御三家以外の中学の傾向と対策をどれくらい時間を割いてやってもらえるか
 ・予習よりも復習に重きを置くか
 ・下位のクラスであっても、(アルバイトではなく)専属の講師が担当してもらえるか
 ・自宅学習の時間が十分にとれるカリキュラムか
 ・直接指導している先生が、進路相談に乗ってもらえるのか(相談専門の先生に分業されていないか?)
 ・テキストはわかりやすく洗練されているか
 ・子どもと先生との相性が合わない場合の対応はどのようにしてもらえるのか
 ・テストの結果公表の仕組みはどうなっているか

7.塾は利用するところ 

 ・・・という意識でいることは、親御さんがコーチとしての役割をきちんと果たしていくためにも大切なことになります。
 入塾してみると、説明会では聞かされなかったことが判明したり、「評判と違う」といったことがよく起こります。先生との相性が合わないといったことも日常茶飯事です。集団学習としての良さもある反面、個々の生徒に目が届いていない現実が見えてくることもあるでしょう。そのようなときに、塾に対してどのような対応をしたらよいでしょうか?
  中学受験の本質は、塾のテストで良い点をとり続けることでも、塾から大量に出される課題をこなし続けることでもありません。塾の細かい部分のシステムや、相談への対応などが、中学受験の本質に照らして、「これは違うな」というものは、家庭のカラーをできるだけ貫き通した方が結果的によいこともあります。塾側に義務はないのでしょうけれども、決して高くはない料金を支払っている以上、個々の家庭の事情にあわせてもらうよう強く要求することもときには必要です。塾側の方針で、どうしても無理なのであれば、転塾することも検討すべきです。何か困ったことが起こったときに、「先生のほうがプロだから」と遠慮しまいがちですが、ささいなトラブルや疑問点をそのままにしておくことは決して良いことではありません。お子さんの異変に気づいたら、何でもこまめに相談・主張していきましょう。

8.他の塾の模試・判定テストの利用意義

  6年生の秋になれば、大手テスト会で本格的な模試が実施され、普段お子さんが通っている塾とは異なる系列のテストを受けるご家庭もあると思います。では、他塾のテストを受ける意義はどこにあるのでしょうか?

1.「受けない」ことによる精神衛生上の影響を避けるため
  本番の試験で、模試とまったく同じ問題が出ることはまずありえないですが、多少奇抜な問題でも、模試で出た問題と同じ考え方を応用して解く問題なら、出ることも考えられます。つまり、本番の試験で、その模試を受けた子にとっては解けるが、受けなかった子にとっては、奇抜すぎて「埋没問題」(=できなくても差がつかない、合否に影響が出ない問題)と判断してしまう問題が出てくる可能性があるということです。
 ほとんど気にしなくていいケースではあるのですが、直前期になると、子どもよりも親の方が神経質になり、「あそこの模試を受けさせなかった。本番で似たような問題が出て、うちの子だけできなかったらどうしよう・・・」と不安になったりします。そういった不安は、精神衛生上よろしくありません。模試を受ければ、みんなが持っている問題と解答解説、そして受験者のデータが手に入ります。結果はどうでもいいのです。偏差値や合格可能性など全部無視してもかまいません。大事なのはみんなと同じものを持っているという安心感なのです。そしてきちんと復習する。それだけです。

2.場慣れ・イレギュラー慣れのため
  他塾のテスト問題は、普段通っている塾が作成する問題と違って、問題文や解答条件の与えられ方に違和感を覚えることと思います。雰囲気も普段と異なり、まわりの子も見たことない子ばっかり・・・そんな環境のなかで、普段通りの力が出せるかということが重要なのです。他塾のテストほど、アウェーで普段通りの力が出せるかどうかの訓練の場として最適な機会はありません。逆に言うと、他塾のテストにそれ以上の意味はないと思っても問題ないと思います。だから、合格可能性が低いからといって志望校を変更するといったことを考える必要はありません。

  いずれにしても、他塾のテストは、いってみれば精神面の防御を固めるためのものにすぎません。したがって、その結果(偏差値など)によってお子さんの位置づけを確認するものでも、志望校の変更を判断するものでもありませんので、数値目標(点数・偏差値)を設けたり、結果に一喜一憂したりすることは中学受験の本質に照らせばナンセンスと言わざるを得ません。

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